制度・お金・手続き
制度は「知らないと使えない」ものばかりです。ただ、全部を一度に理解する必要はありません。いま必要なものだけを、順番に見ていきましょう。
かんたんにいうと
- 使える制度は、いくつもあります。
- 全部おぼえなくて大丈夫です。
- 窓口は市区町村の役所です。
制度は4つのグループに分かれる
発達障害に関わる制度は数が多く、名前も似ていて混乱しがちです。まず、目的ごとに4つに分かれていると考えると整理しやすくなります。
受給者証と福祉サービス受給者証と福祉サービス(児童発達支援・放課後等デイサービス)「受給者証」は、療育の場を利用するための鍵になる証明書です。障害者手帳とは別のもので、手帳がなくても取得できます。ここを知らずに諦めてしまう方が少なくありません。学びの場の選び方学びの場の選び方(通級・特別支援学級・特別支援学校)4つの選択肢があり、それぞれ「在籍する場所」が違います。就学先は一度決めたら変えられないものではありません。仕組みを知っておくと、相談の場で聞くべきことが見えてきます。障害者手帳障害者手帳(療育手帳・精神障害者保健福祉手帳)発達障害に関わる手帳は2種類あります。どちらが対象になるかは、知的発達症をともなうかどうかで変わります。取得は義務ではなく、必要になったときに考えれば間に合います。手当と医療費手当と医療費の負担軽減通院が続くと医療費が、療育に通うと交通費や時間が、じわじわ効いてきます。負担を軽くする制度はいくつかあります。どれも申請しないと始まりません。
大事な前提:手帳がなくても使える制度がある
よくある誤解が、「障害者手帳がないと何も使えない」というものです。
そうではありません。 制度によって、必要なものが違います。
| 必要なもの | それで使える制度 |
|---|---|
| 医師の診断書・意見書 | 受給者証(児童発達支援・放課後等デイサービス)、自立支援医療 |
| 障害者手帳 | 障害者雇用、税の控除、公共料金の割引など |
| 診断も手帳も不要 | 発達障害者支援センターへの相談、学校での合理的配慮の相談 |
とくに児童発達支援や放課後等デイサービスは、手帳がなくても利用できます。 ここを知らずに諦めてしまう方が少なくありません。
どこから手をつけるか
迷ったときの順番です。急ぐ必要はありません。
- 困っていることを1つ書き出す(例:放課後の預け先がない、学校の勉強についていけない、通院費が続かない)
- その困りごとに対応する制度を見る(下の一覧)
- 市区町村の窓口に電話して、必要な書類を聞く
- 分からなければ発達障害者支援センターに相談する
| 困っていること | 見るページ |
|---|---|
| 放課後や休みの日の預け先がない | 受給者証と福祉サービス |
| 就学前の子どもの発達が気になる | 受給者証と福祉サービス |
| 学校の授業についていけない | 学びの場の選び方 |
| 進学先をどう決めたらよいか分からない | 学びの場の選び方 |
| 就職や税の負担を軽くしたい | 障害者手帳 |
| 通院費や生活費の負担が重い | 手当と医療費の負担軽減 |
窓口はどこか
制度によって担当課が違います。電話をかけるときは「発達障害の子どものことで相談したい」と伝えれば、担当につないでもらえます。
| 制度 | 主な窓口 |
|---|---|
| 受給者証・福祉サービス | 市区町村の障害福祉課、子ども家庭支援の窓口 |
| 学びの場・就学相談 | 市区町村の教育委員会 |
| 療育手帳 | 市区町村の障害福祉課(判定は児童相談所・知的障害者更生相談所) |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 市区町村の障害福祉課(判定は精神保健福祉センター) |
| 自立支援医療 | 市区町村の障害福祉課 |
| 手当 | 市区町村の障害福祉課・子ども家庭課 |
このセクションで扱わないこと
- 具体的な金額(毎年度改定されるため。窓口で確認してください)
- 自治体ごとの独自制度(お住まいの地域の窓口・広報でご確認ください)
- 申請が通るかどうかの判断(審査は行政が行います)