障害者手帳(療育手帳・精神障害者保健福祉手帳)
発達障害に関わる手帳は2種類あります。どちらが対象になるかは、知的発達症をともなうかどうかで変わります。取得は義務ではなく、必要になったときに考えれば間に合います。
かんたんにいうと
- 手帳は2しゅるいあります。
- とるかどうかは、自分でえらべます。
- 申しこみは市区町村の役所です。
2種類ある
| 療育手帳 | 精神障害者保健福祉手帳 | |
|---|---|---|
| 主な対象 | 知的障害のある人 | 発達障害を含む精神疾患のある人 |
| 根拠 | 法律ではなく国の通知。自治体ごとに運用 | 精神保健福祉法 |
| 名称 | 自治体で異なる(愛の手帳、みどりの手帳など) | 全国共通 |
| 判定 | 児童相談所・知的障害者更生相談所 | 精神保健福祉センター |
| 更新 | 自治体の定めによる(再判定あり) | 2年ごと |
知的発達症をともなわない発達障害の場合、対象になるのは精神障害者保健福祉手帳です。 両方の要件を満たす場合、2つとも持つこともできます。
精神障害者保健福祉手帳の申請
発達障害で取得を考える場合、多くはこちらになります。
必要なもの
- 申請書(窓口にあります)
- 医師の診断書(所定の様式。精神保健指定医である必要はありませんが、精神障害の診断・治療に従事する医師が書きます)
- または、障害年金を受給している場合はその証書の写しで代えられます
- 顔写真
- マイナンバーが分かるもの
大事な要件:初診から6か月
その障害の初診日から6か月以上経過していることが必要です。診断を受けてすぐには申請できません。
「いずれ手帳を考えるかもしれない」場合、初診日がいつかを控えておくと後がスムーズです。
流れ
- 市区町村の障害福祉課で申請書と診断書の様式を受け取る
- 主治医に診断書を書いてもらう(文書料がかかります)
- 窓口に提出
- 精神保健福祉センターで判定
- 交付(1〜2か月程度かかることが多い)
等級は1級から3級まであります。
手帳があるとできること
自治体や事業者によって内容が異なるため、「一般的にこういうものがある」という例として読んでください。
働くこと
- 障害者雇用の枠に応募できる(もっとも実質的な利点です。詳しくは働き方と就労の支援へ)
- 就労支援サービスの一部
お金の負担が軽くなる
- 所得税・住民税の障害者控除
- 相続税・贈与税の軽減
- 自動車税・軽自動車税の減免(等級による)
- NHK受信料の減免(条件あり)
- 携帯電話料金の割引(事業者による)
移動・施設利用
- 公共交通機関の割引(事業者・地域によって差が大きい)
- 公共施設の入場料減免
- 有料道路の割引(条件あり)
取ることをためらう気持ちについて
手帳を取ることに抵抗を感じるのは、自然なことです。よく聞かれる心配と、事実を並べます。
| 心配 | 事実 |
|---|---|
| 学校や職場に知られてしまう | 本人・保護者が言わない限り知られません。 手帳の情報が自動的に共有される仕組みはありません |
| 一度取ると返せない | 返還できます。 更新しなければ効力が切れます |
| 将来の就職に不利になる | 手帳の有無が一般の就職で照会されることはありません。障害者雇用を「選べるようになる」だけです |
| 子どもに知られたくない | 本人への伝え方は家庭ごとの判断です。手帳の申請自体は保護者が行えます |
そのうえで、取らないという選択も十分にあり得ます。 いま受けたい支援に手帳が要らないのであれば、急ぐ必要はありません。
必要になるのは多くの場合、障害者雇用で働くときと税や手当の手続きのときです。そのときに取りに行く、という順番でも遅くありません(ただし初診から6か月の要件があるので、受診歴だけは残しておいてください)。
よくあるつまずき
- 診断書の文書料が思ったより高い — 医療機関により異なります。事前に確認を
- 主治医が様式を持っていない — 窓口でもらった様式を持参します
- 更新を忘れた — 有効期限の3か月前から更新申請できます。カレンダーに入れておく
- 等級が想定より軽かった — 不服がある場合の手続きについて窓口に相談できます
制度の内容は改定されます。最終的なご確認は、必ずお住まいの自治体の窓口でお願いします。