発達のとびら 発達障害の情報を、ひとつの入口から

診断・検査の流れ

「どこに行けばいいのか分からない」でつまずく方がとても多い部分です。子どもの場合と大人の場合に分けて、最初の一歩から順に説明します。

かんたんにいうと

  • まずは、住んでいる町の窓口に相談できます。
  • 診断は、検査の点数だけでは決まりません。
  • 母子手帳や通知表があると、話が早く進みます。

最初の一歩は「病院」でなくてよい

「発達障害かもしれない」と思ったとき、いきなり専門の医療機関を探そうとして行き詰まる方が多くいます。児童精神科は数が少なく、初診まで数か月待つことも珍しくありません。

先に地域の相談窓口に行くほうが、結果的に早く進みます。相談窓口は、その地域でどこが診てくれるかを知っているからです。

子どもの場合の流れ

1. 身近な窓口に相談する

相談先向いている場面
市区町村の保健センター乳幼児期全般。健診の担当窓口でもある
乳幼児健診(1歳6か月・3歳児など)最初のきっかけになることが多い
かかりつけの小児科ふだんの様子を知ってもらっている
子育て支援センター・保健師育児の困りごとから相談したいとき
保育園・幼稚園の先生集団での様子を教えてもらえる
学校(担任・特別支援教育コーディネーター・スクールカウンセラー)就学後の困りごと
発達障害者支援センターどこに行けばよいか分からないとき
児童発達支援センター就学前の療育につなげたいとき

2. 専門機関につながる

相談窓口から、地域の児童精神科・小児神経科・発達外来、または児童相談所や発達支援センターを紹介してもらいます。ここで予約待ちが発生することが多いため、早めに動くほど選択肢が増えます。

3. 受診と検査

初診では、まず話を聞く時間が中心です。その後、必要に応じて検査が行われます。1回で終わることは少なく、数回に分かれるのが一般的です。

4. 診断と、その後

診断は、検査結果・生育歴・現在の様子を合わせて医師が判断します。診断がついた場合は、療育や支援の利用について話が進みます。

大人の場合の流れ

1. どこに相談するか

2. 生育歴の情報を集める

大人の診断で最も重要なのが、子どものころの様子です。診断基準に「発達の早い時期から」という条件があるためです。

ご家族に確認できる状況であれば、事前に話を聞いておくと診断が進みやすくなります。手元に何も残っていない場合でも受診はできますので、そこで諦めないでください。

当日までに用意しておくとよいもの

書いて持っていくと、限られた診察時間を有効に使えます。

検査では何をするのか

検査は「発達障害かどうかを判定する装置」ではありません。得意なことと苦手なことの傾向を知り、支援の手がかりを得るためのものです。

知能検査・発達検査

検査対象分かること
WISC-V5歳0か月〜16歳11か月全体の傾向と、領域ごとの得意・不得意の差
WAIS-IV16歳〜90歳11か月同上(成人向け)
田中ビネー知能検査V2歳〜成人精神年齢・知能指数
新版K式発達検査乳幼児〜成人姿勢・運動、認知・適応、言語・社会の3領域

そのほかの検査・面接

診断の目的に応じて、行動観察、保護者への聞き取り(生育歴)、質問紙、ADOS-2やADI-Rといった専門的な評価が行われることがあります。何を行うかは医療機関によって異なります。

診断がついたとき/つかなかったとき

診断がついた場合

診断名はラベルではなく、支援につながるための鍵です。制度の利用(手帳、福祉サービス、学校での配慮、職場での配慮)を考えるときに必要になります。

一方で、診断名がその人の全部を説明するわけではありません。同じ診断名でも、必要な支援は一人ひとり違います。

診断がつかなかった場合

「基準を満たさなかった」ことと「困っていない」ことは別です。併存とグレーゾーンでも書いたとおり、診断がなくても相談も配慮も受けられます。

また、年齢が上がって求められることが変わったときに、改めて診断に至ることもあります。1回の結果で終わりにしなくて大丈夫です。

費用について

保険診療の範囲で行われる部分と、自費になる部分があります。検査の種類や医療機関によって異なるため、予約時に「検査を受ける場合の費用の目安」を確認しておくことをおすすめします。

子どもの医療費助成、自立支援医療(精神通院医療)など、負担を軽くする制度もあります。制度は改定されることがあるため、最新の内容はお住まいの自治体の窓口でご確認ください。

出典

最終更新 執筆 sin(ADHDとASDの兄弟を育てています。)