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発達障害と仕事

「向いている職業リスト」を見ても、しっくりこなかった経験はありませんか。同じ職種でも、職場によって働きやすさはまるで違います。決めているのは職種より環境です。

かんたんにいうと

  • 仕事えらびは、職種より職場の環境が大事です。
  • 自分に合う条件を知っておくと、えらびやすくなります。
  • 配慮をおねがいすることは、わがままではありません。

「向いている職業」では答えが出ない理由

インターネットで「ASD 向いている仕事」と検索すると、プログラマー、経理、研究職……といった職種名がずらりと出てきます。

でも、実際に働いてみると分かります。同じ「プログラマー」でも、職場によってまったく違います。

職種名は、この違いを何も表していません。職種で選ぶと外れます。

環境条件で考える

代わりに、自分にとって何が「効く」のかを条件のリストで持っておきます。転職や異動を考えるとき、求人票や面接で確認すべきことがはっきりします。

チェックしてみてください

当てはまるものが多いほど、その条件はあなたにとって重要度が高いということです。

条件確認する質問の例
指示が具体的である「業務の指示は口頭ですか、文書ですか」
手順が決まっている「マニュアルはありますか。どのくらい更新されていますか」
同時に扱う案件が少ない「1人が同時に何件くらい持ちますか」
予定が変わりにくい「急な差し込みはどのくらいの頻度でありますか」
音・光が穏やか「フロアの様子を見せてもらえますか」
雑談・付き合いが少なくてよい「昼休みはどう過ごす人が多いですか」
成果物ではっきり評価される「評価の基準を教えてください」
1人で集中する時間が取れる「集中したいときに使える場所はありますか」
締め切りが明確「締め切りは誰が、いつ決めますか」
人の入れ替わりが少ない「チームの平均在籍年数はどのくらいですか」

特性別の考え方

「苦手」を減らすより「合う」を増やす

発達障害のある人の就労相談でよく起きるのが、苦手なことを何とかしようとして消耗するという流れです。

電話が苦手な人が電話対応の練習を重ねる、段取りが苦手な人が手帳術の本を10冊読む。努力そのものは尊いのですが、そこにかけた時間とエネルギーの割に、成果が小さいことが多くあります。

一方で、環境を変えると劇的に楽になることがあります。電話をチャットに変える、段取りをテンプレートにする。同じ人が、環境を変えただけで評価が変わるというのは実際によくある話です。

だからこの章では、本人が変わることより、環境を選ぶ・環境を変えてもらうことを中心に扱います。

二次的な困りごとに気をつける

働き始めてからの困りごとは、特性そのものより積み重なった疲れから来ることが多くあります。

これは二次的な困りごとです。「もっと頑張れば」で対処しないでください。 環境の調整か、働き方そのものの見直しが必要なサインです。

相談先は就労支援にまとめました。診断の有無にかかわらず相談できる窓口もあります。

この章の構成

出典

最終更新 執筆 sin(ADHDとASDの兄弟を育てています。)